文建協の概要

文建協の概要

事業内容

当協会は、文化財建造物の保存修理等のため、当該建造物の調査、歴史的伝統的な専門的技術等に基づく設計・指導などの保存修理事業及び技術者・技能者の養成確保並びにこれらに関する調査研究等を行っています。

保存修理事業

国宝、重要文化財、史跡など国・地方公共団体が文化財として指定する建造物等を中心に、広く歴史的な価値が特に高い建造物等を対象としています。これらの建造物等の文化財保護法による保存、修理、復元、活用などが行われるに際し、その事業主(所有者又は管理団体)からの依頼を受け、ア)当該建造物の建築史上の価値及び建築技術等に関する調査、イ)歴史的伝統的技術に基づく保存修理計画の策定・設計などを行います。同時に、ウ)その保存修理等の実施過程を通じて大工、左官等の技能者に対する専門的技術的指導を行うなど、保存修理に係る設計監理業務等を行っています。

技術者等養成・研修事業

保存修理事業を適切に実施していくには、そのための専門的技術・技法を身につけた技術者・技能者の養成確保が不可欠です。このため、毎年度、保存修理等事業に携わる全国の技術者等を対象として、次の各研修等の事業を実施しています。

技術者養成

技術者養成教育 新たに保存修理事業に携わることとなった者を対象とし、建築技術史並びに文化財保存修理技術に関する基本的知識の修得を軸に600時間余にわたり講義、演習等を行います。
中堅技術者研修 技術者養成研修修了者であって主任技術者(保存修理事業の現場責任者)を目指す者を対象とし、毎年4日間、経験年数に応じたテーマを設定し、より高度で実践的な研修を行います。
主任技術者研修 主任技術者及び監督を行う者が、毎年2日間、一堂に会し、保存修理事業の実施に関し得られた新たな技術的知見を発表し、情報・意見の交換を行います。
幹部技術者研修 監督業務を行う者を対象とし、保存修理工事に関する諸問題について討議し、解決策について検討します。
文化財建造物修理技術公開セミナー 建築学を選考する学生等を対象として、文化財建造物の保存修理に関する基本的知識及び具体的事例に関するセミナーを行います。

木工技能者養成

木工技能者研修
普通コース上級コース
文化財建造物の修理経験を有する木工技能者を対象とし、6日間にわたり、規矩術などの技能の定着と施工技術の向上に資する講義と実習等を行います。

調査研究事業

歴史的伝統的な建築の修理技術、技法をより効果的に修得し、また、次世代に伝えていくため、各現場における調査データや保存修理等の実施成果(図面、写真等)はもとより、工事過程で得た新たな知見などに関する資料を確実に収集整理し、これを技術者が共有しうるようにするほか、次の調査研究を実施しています。

  • 「保存修理の理念等に関する総合的な調査研究」
  • 「保存修理技術の体系化等に関する調査研究」
  • 「保存修理等支援基礎調査」

刊行物等

修理工事報告書
(根本修理毎に作成)
根本修理などの保存修理工事毎に、当該工事の内容、調査結果等を詳細に記述し、図面等の関連する資料を加えて刊行しています。
文建協通信(季刊) 保存修理事業の現場からの新しい知見や情報を「現場レポート」や「新現場紹介」としてまとめ、これらの知見等を全国の技術者・関係者間で共有・交流するため作成・配布しています。
文建協叢書(不定期) 当協会の職員等による調査研究等の成果をまとめて刊行しています。
修復の手帳(不定期) 保存修理に関わる特別な事例等を集大成して刊行しています。