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その他 2022.11.10

令和4年度 業務功労表彰審査委員会における選考について

 

審査結果

 A 調査・設計・監理部門
入賞

ア「調査、設計、監理の各業務部門で優れているもの」
 (重文) 旧日向家熱海別邸地下室及び附上屋保存修理事業
 (重文) 旧志免鉱業所竪坑櫓保存修理事業

奨励賞

ア「初めての工事主任として担当した業務が優れているもの」
 (重文) 神野寺表門保存修理事業

 B 報告書等作成部門
入賞

イ「報告書作成、保存図作成の業務のいずれかが優れているもの」
 (重文) 中島家住宅主屋ほか5棟保存修理工事報告書

 

講評

 A 設計・監理・調査部門

(重文)旧日向家熱海別邸地下室及び附上屋保存修理事業
 駐在現場並みの工事を非駐在でやりきった。修理工事報告書は期限通りに刊行されなかったが、これまでの文化財建造物では扱われてこなかった素材や仕様をそれぞれの分野の秀でた人材を選んで、価値の高い内装の復旧を行った点が高く評価された。また、熱海の傾斜地に立つ施工性の難しい物件を適切に運営した点も評価できる。

 

(重文)旧志免鉱業所竪坑櫓保存修理事業
 駐在現場並みの工事を非駐在で4年間の長期に亘りやりきった。大規模鉄筋コンクリート造構造物というこれまでに例のない文化財の事業運営を手探りで進める中、集中力を切らさず対応できたことは、高く評価できる。調査も綿密に行われている。修理工事報告書は期限通りに刊行されなかったが、添付CDに未掲載の配筋情報を添付するなど工夫がされていて、内容的には評価できるものとなっている。

 

(重文)神野寺表門保存修理事業
 修理工事報告書は期限内に刊行され、内容的には新任主任としては及第点以上であることだけでなく、現場自体が台風による災害復旧工事の事前着手物件であり、関係者との調整など運営も難しい中、短い工事期間で無難に運営がなされた点は評価できる。
 特に修理工事報告書は、短い工期の中で、資料の収集も丹念に行われている。説明図版を豊富に提示して、丁寧に説明しようとしている姿勢は好感が持てた。一方、図版写真にはキャプション以外に説明があればもっと良くなるし、コロタイプ印刷の使い方・考え方(何をコロタイプとして印刷するべきか)にはもう一工夫欲しい、という意見もあった。

 B 報告書等作成部門

(重文)中島家住宅主屋ほか5棟保存修理工事報告書
 中島家住宅は、昭和59年以来2度目の修理、2回目の修理工事報告書の刊行となった。本報告書は、横書き2段組のレイアウトとし、調査事項と実施仕様・施工が同じ章にまとめられている。これを分かりやすいと判断する委員もいたが、第2章が太りすぎている、という判断もあり、意見が分かれた。表現は、アイソメのほか独自性のある挿図や網掛けが適確に用いられ、編集も気を遣っており、分かりやすい点は評価できる。期限内での刊行も評価でき、今後の期待を込めて、入賞とした。

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