文建協の概要

文建協の概要

代表者挨拶

髙塩 至当協会は、昭和46年6月に財団法人として設立以来、一貫して国民共有の文化遺産である国宝、重要文化財その他の文化財建造物等の保存修理における設計監理業務に携わってまいりました。
また、昭和51年には、「建造物修理」及び「建造物木工」の分野において「選定保存技術」の保持団体として認定され、保存修理の中核となる専門性の高い技術者・技能者の教育・養成を行ってきているところです。

国による文化財建造物の保存修理事業は明治30年(1896年)以来続いていますが、近年は大きな変化が生じてきています。
第一に、保存修理の対象となる文化財建造物の変化です。日本の伝統的な木造建造物は100年以上にわたって保存修理技法の創意工夫が蓄積されてきていますが、新たにレンガ、鉄骨、鉄筋コンクリートを用いた文化財建造物が保存修理の対象となってきました。これらは幕末、明治以降に建築されたいわゆる近代化遺産といわれているものですが、その保存修理には新たな修理技法等の研究開発が必要となっています。
第二に、耐震構造の確保です。阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震などにおいて被災した国宝・重要文化財建造物の数は少なくありませんでした。文化財建造物が人や生活とともにある状況を考えると、保存修理の際における耐震構造の導入が不可欠であり、保存修理との調和を考慮しつつ信頼性の高い耐震修理を行うことが重要となっています。
第三に、活用に対する新たな視点とニーズの増大です。近年、重要文化財建造物を、地域の振興や活性化などの中核としてさらに積極的に活用していこうとする動きが数多く見受けられます。この活用計画における保存管理計画の策定には、文化財としての建造物の意義や価値を確実に維持していくために修理技術者の関与が不可欠であり、積極的な対応が求められています。
当協会は、日本の伝統的な技法の継承はもちろんのこと、文化財建造物を取り巻く変化に確実に対応できるようさらに高度な技術の向上・発展に取組むとともに、高い技術力と実践力を備えた修理技術者の育成を着実に進めてまいります。

国宝・重要文化財文化財建造物の保存修理は、日本の文化を支える国家的に重要な事業です。当協会は、今後も引き続きより多くの保存修理事業に携わらせていただき、日本の文化財建造物保存修理の第一線を担う立場として、文化財建造物の保護に貢献していきたいと考えています。
当協会の諸活動に対し皆様のご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

平成29年6月

公益財団法人 文化財建造物保存技術協会 理事長 髙塩 至